ootsukitoroさん
星雲星団を撮影したときの明るさは「写真等級」という等級で表されています。もっとも、白黒の乾板用の目安なので、CCDカメラ全盛の今では参考になるかどうか…。
ま、相手は逃げたりしませんので、気長にいろいろ試してみてください。
写真は、一発でうまく撮る方法を覚える事よりも、可能な限り変更できる設定をすべて変えて、片っ端から失敗覚悟で撮る方がずっと勉強になります。意図通りに失敗できれば腕はだいぶ上がっています。
天体写真は使うレンズの焦点距離に応じて撮り方が何種類かあります。適正露出がどうこうという話よりも、用意しなければならない機材や、そのセッティングの方が重要になります。
完全変態とは何か
Level-1
使うレンズは広角レンズか、せいぜい標準レンズ相当まで。望遠は使わないこと。
とりあえず、絞りを開放か1段絞った状態にして数十秒~数分間露出してみてください。もちろん三脚に固定し、レリーズかリモコンを使って振動を与えないように。感度は標準(ISO100~200相当)でかまいません。(ISO1600とかにするとかえってノイズだらけになる)
ピントの位置は「∞」にします。AFレンズだったら、遠くの街灯か、月が出ていたら月でピントを出してからAFをOFFにします。
宇宙飛行士の背中の痛み
※日周運動のため、露出時間が長いほど星が線になって写ります。10秒程度であれば、ほぼ点になって写ります。
※日周運動で流れてしまう(言わば、被写体ブレになる)ため星雲星団は、ほとんど写りません。
※カメラのベテランであれば、この手の撮影は一度は挑戦しているはずです。地上の風景と組み合わせると幻想的な写真にすることができます。
※都会や郊外、月が明るい時などは、露出時間をかけるほど背景が白くなってコントラストが浅くなるので、露出時間は背景の明るさに応じて変更する必要があります。
第一キリンが表示されなかったとき
Level-2
赤道儀(せきどうぎ)という、星を追尾する専用架台にカメラを乗せます。
星は北極星を中心に1日1回まわるような動きになりますが、赤道儀のモーターでその動きに合わせて追尾する訳です。
撮影そのものはLevel-1(ちなみに「固定撮影」と呼ばれます)と同じですが、星を追尾するため、星が点になって写ります。標準レンズ~100mm程度の中望遠程度なら、代表的な大きめの星雲星団は形がわかってきます。
※カメラのハイアマチュアやプロでもさすがに赤道儀を買う事はほとんどない(丈夫なものは10万円ぐらいする)ので、この辺からは天体写真家の世界になります。
Level-3
使用するレンズを200~400mmクラスの望遠レンズにするか、望遠鏡にカメラを直接接続して撮影します。星雲や星団を大写しする訳です。
APS-Cサイズの一眼レフデジカメで1000mmぐらいで撮ると、アンドロメダ銀河(M31)やオリオン大星雲(M42)は、だいたい画面ギリギリから少しはみ出るぐらいになります。400~500mmならちょうどいいかもしれません。
デジタルカメラ(CCD)は露出時間に応じた感度低下がないため、数分も露出すると露出オーバーになる事すらあります。
このレベルでは焦点距離は数百ミリに達するため、赤道儀のセッティング精度・追尾精度・ピント合わせの精度等が問われますが、図鑑などで見るような、迫力あるカラフルな星雲・星団の写真が撮れます。肉眼で見たって白黒にしか見えないのに、写真に撮ると色がきれいに出るんですから不思議です。
※質問者さんの
>銀河・星雲・恒星etc・・・の星野写真を撮りたいのですが。
と想像しているのは、このレベルの機材で撮られているようなものを撮りたいと思っているのではないかと思うのですが…。
そこまで機材を揃えるかどうかは別にして、あえてこのレベルまで説明しました。
さらにこの上には「冷却CCDカメラで撮る」というのがありますが、割愛します。
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