娘と彼女の夫は喧嘩ばかりしているのに妙なところで気が合う。二人とも爬虫類とか両生類とか変わったものが好きなのである。それで最近飼い始めたのが2匹のトカゲ。何という名前だったか忘れてしまったが、成長すると体長40センチになるらしい。そんなもの飼ってどうするのと思うけど、ドラ子とゴンちゃんと名前まで付けて可愛がっている。私は生き物なら大抵オーケーだけど、わざわざトカゲを飼おうとは思わない。
そのトカゲが何を食べるかといえばコオロギやカイコなどの生きた昆虫である。エサはペットショップに売っているのだが、100匹1200円もするコオロギをトカゲは4日程で食べてしまう。トカゲというのは大人になるまでは昆虫をムシャムシャ食べるが、大人になってしまえば小松菜などが主食にな� ��、1週間に1度くらい虫を与えればよいのだという。成長するのにどれくらいかかるのか知らないけど、4日に1度1200円のエサが必要だなんて、ウチのアレックスよりも食費がかかる。
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さて、我が家の周辺にはまだ自然が残っている。今頃の時期は近所の原っぱに行けばバッタなんて取り放題なので、娘はトカゲの食費を節約するために3、4日に1度子どもを連れてやって来る。すると私も付き合わされて原っぱへ虫取りに行くのだが、これがなかなかハマるのである。私は昆虫なんてへっちゃらである。トカゲを飼うまでは虫が苦手だった娘も、最近では素手でバッタを掴めるようになった。トノサマバッタだのショウリョウバッタだのウマオイだの、トカゲに色々なバッタを食べさせてみた結果、どうやらショウリョウバッタがお気に入りだということが分かり、今日はそこに焦点を当てて虫取りをすることになった。
原っぱに着いてすぐは目が慣れなくて見つけるのに時間がかかるが、そのうちにバッタが勝手に目に入って来るようになる。一度そのスイッチが入ると、もうこっちのもの。狙った獲物は決して逃がさない。まるでカメレオンが虫を捕る時のように狙いを定めてパッと素早くつかむ。そのスピードの速いことに4歳の女の子が感激する。どんなもんだい!そんな風にして虫取りをしているうちにどんどん面白くなり、時間も忘れて没頭する。私たちはもうすっかりハンターである。人間の中にあるハンターの血が騒ぐといった感じ。きっとアドレナリンが出まくっているんだろうな。
1時間程夢中で追いかけて、虫カゴの中はバッタだらけになった。ざっと50匹はいるだろう。もう1つのカゴには途中で見つけたカマキリとイモムシも入っている。これだけあれば4、5日は大丈夫。大分節約できた。小さなカゴにビッシリ止まっているバッタを見て、娘たちは「美味しそうだね、ドラ子とゴンちゃんきっと喜ぶね」なんて言う。あれを見て美味しそうというその感覚、何とかして欲しい。トカゲはまだ体長が10センチくらいだから、大き目のショウリョウバッタとあまりサイズが変わらない。そのバッタにトカゲはパクっと頭から食いついて、ムシャ、ムシャッと食べるんだって。口からバッタの足がはみ出したりしているのも慣れれば可愛いく見えるらしい。私はイヤだね� ��それは。
しかし、こういうことでもないと人間の中にハンターの血があるのことには気付かない。あれは独特の感覚である。無我夢中でバッタを捕まえている時の自分は本能剝き出しで、他のどんな場面とも違う精神状態である。まさに動物。目的なんてどうでもいいという感じで、ただひたすら捕獲することに集中してしまう。そして、大物を捕まえた時の達成感や爽快感は実にスポーツの時のそれに似ている。私は動物愛護を信条としているが、実はハンティングなんかやったら夢中になるのかもしれない。危険だなぁ。ま、この程度のことで本能を満足させておく分には罪がないからいいか。そう思いながらも、もう次のハンティングを楽しみにしてしまう私である。
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